歯周病治療

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歯周病とは?

顕微鏡の発達により虫歯や歯周病の原因は、プラーク(歯垢)の中にいる細菌であることが分かりました。
誰のお口の中にも細菌はたくさん存在し、プラーク1mgあたり約300種類もの細菌がひしめきあっています。
虫歯や歯周病は一つの細菌のみが原因ではなく、数種類の細菌によって引き起こされます。
お口の細菌バランスが崩れると、歯周病菌が活発に活動し始めます。
歯周病菌は、暗いところや酸素のないところが大好きなため、歯と歯肉の間からどんどん奥に入り込み歯を支えている骨を壊していく病気です。
しかし、骨を壊していく過程において、たまに出血があるかむずがゆい程度で、あまり痛みを伴わずに進行してしまう怖い病気なのです。
知らないうちに進行し、気づいたときには手遅れになる場合が多いのです。

基本治療の流れ
お口の細菌バランスとは
虫歯・歯周病は感染症
全身と歯周病
全身と歯周病

基本治療の流れ

基本治療の流れ

歯周病検査①・レントゲン検査

ブラッシング指導・スケーリング
(歯石の除去)

歯周病検査②

深いポケットのスケーリング・
ルートプレーニング

歯周病検査③

状態の悪いところの
歯肉切除手術・フラップ手術など

歯周病検査④

メンテナンス

お口の細菌バランスとは

お口の細菌バランスとは

体にはたくさんの微生物が棲みついています。
その微生物たちが共存し、安定した集団を維持している(バランスを保っている)状態を『正常微生物叢』といいます。
たとえば腸内の悪玉菌と善玉菌の存在はとても有名です。
健康であれば問題はありませんが、体調や体質、年齢や病気などで体の抵抗力が極端に弱まったり、抗生物質の長期服用などで正常微生物叢のバランスが崩れると、病気を発症してしまいます。
お口の中にも善玉菌と悪玉菌は存在します。
お口の善玉菌の研究はあまりされていませんが、虫歯・歯周病の原因である悪玉菌の存在は分かっています。
お口の中では、歯の位置や咬み合わせ、口腔清掃不良などにより細菌バランスが崩れると、今まで潜んでいた悪玉菌が一気に繁殖し組織内に進入することで、病原性を発揮することが分かりました。

虫歯・歯周病は感染症

虫歯や歯周病の原因は、プラーク(歯垢)の中にいる細菌であることは、皆さんご存知だと思います。
ただ、その細菌たちがどこから来たものなのかを意識されている方は、ほとんどいないでしょう。
色々な雑菌やウイルスは、空気中を浮遊していますので口で呼吸をしていれば、どんどん体内に進入してしまいます。
しかし、虫歯菌や歯周病菌は、空気中を浮遊している訳ではありません。
虫歯菌や歯周病菌は、唾液をかいして人から人へとうつる感染症なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中に細菌は、ほとんどいません。
その後、子供を育てる上で母親が噛み砕いたご飯を与えれば、当然細菌も与えていることになり、父親が使った同じスプーンを使えば父親の、お爺ちゃんお婆ちゃんがお孫さんに同じことをすれば…。
よく虫歯が多い親の子供は、虫歯が多いと言われます。
遺伝要素もありますが、実際は親から子へ悪玉菌が受け継がれていただけなのです。
現在あなたのお口の中にいる細菌の多くは、生活する上で、様々な経路で他人から感染した結果で、言わば虫歯・歯周病は感染症なのです。

全身と歯周病

お口の中には、300種類以上100億個の細菌がひしめき合っています。お口は体の入り口です。
最近の研究でお口の中の細菌が、全身の色々な病気に影響していることが明かになって来ました。

■胃潰瘍との関係
顕微鏡で歯垢(プラーク)を観察すると、多くの細菌が動き回っています。
その細菌たちは、お食事をすることで少なからず食べてしまっていますが、殆どの細菌は胃の中の胃酸によって死んでしまいます。
30年以上前までは、胃の中には細菌はいないと思われていました。
しかし最近テレビCMでも取り上げられていますが、胃潰瘍の原因がピロリ菌であることが分かり、胃の中にも細菌が生息していることが明かになりました。
以前胃潰瘍の治療は切除療法しかありませんでした。
しかし、ピロリ菌除菌療法により切除せずに治るようになったのです。
ただそのピロリ菌がどこから胃の中に入るのかを意識している方は、非常に少ないようです。
どこから来る(感染)にせよ、胃に入るためにはお口は必ず通らなければなりません。
いくつかの内科病院では胃潰瘍の治癒後、予防策としてお口を綺麗にして下さいと言う指導をしているようです。
■肺炎との関係
お年寄りの死因の第2位に肺炎が上げられます。
その殆どは誤って食物や唾液が気管に入ることで肺炎を起こす誤嚥性肺炎と言われています。
その多くは、お口の中の細菌が唾液をかいして肺で繁殖し、炎症を起こす原因になっていると思われます。
■動脈硬化・冠動脈疾患との関係
歯周病によりお口に炎症があり傷があると、細菌や細菌が出す毒素はそこから血管の中に入り込みます。
入り込んだ物質は、血管の内壁にヘドロのようにへばり付き、動脈硬化や冠動脈疾患の原因の一つになります。
■糖尿病との関係
歯周病になると、歯周病菌や内毒素が抗原となって白血球を活性化し様々な炎症成分を分泌させます。
この炎症成分の一つであるNTF-αは、インシュリン抵抗性を高め糖尿病を引き起こすと言われています。
以前より糖尿病患者は歯周病になりやすいのは知られていました。
しかし、最近では歯周病になると糖尿病を発症しやすいと言われています。
また、歯周病の治療により糖尿病の状態が改善するという報告も多くされています。
■心臓病との関係
歯周病により細菌や毒素が血管の中に入り込むと、当然全身に行き渡ります。
心臓の内壁で炎症を起こす心内膜炎の原因の一つに最近歯周病が上げられています。
通常いるはずのないお口の細菌が、心臓の内壁で発見されたという報告が数多くされています。
また、歯周病により活性化された白血球から分泌される炎症成分の中にCRPという物質があります。
CRPは肺炎のような急性の炎症を起こすと急激に高くなる検査項目です。
しかし、慢性の炎症ではCRPがかなり低くても心筋梗塞を招くと考えられ、歯周病のような慢性の炎症を抱えている人は、心筋梗塞のリスクが高いと言えます。
逆に歯周病治療により血中CRP濃度が下がれば心筋梗塞のリスクも低下するそうです。
■早産・低体重児出産との関係
歯周病により血中に増える炎症物質は、生活習慣病を引き起こすだけではありません。
この炎症物質には,子宮を収縮させる物質「プロスタグランジン」を増やす作用もあるのです。
「プロスタグランジン」はお産の時に陣痛促進剤として使用される物質で、血中濃度が高くなると、体に「分娩しろ!」というスイッチが入ってしまいます。
そのため歯周病の妊婦に早産や低体重児出産が多くなるのです。
一方、妊娠中に胎盤で作られるホルモンの働きで歯周病菌自体が増加し、歯周病が悪化してしまいます。
だからこそ妊娠した女性にとって、お口の中の環境は特に大切で、妊娠する前に歯周病治療を終えておく必要があるでしょう。
実際、歯周病治療を行うと早産が減るという報告も多くされています。

歯周内科療法

歯周内科療法

お薬で治す歯周病治療です。通常内科では、感染症の場合感染している微生物を血液検査や顕微鏡で確認し、その微生物に合ったお薬を処方することで治療します。
歯周病は感染症です。
しかし、以前より歯周病にはお薬が効かないと言われていました。
現在、位相差顕微鏡で微生物を確認しターゲットに合ったお薬を使用することで、お口の中が除菌され歯周病が劇的に治ることが分かりました。